こんにちは、mayuです。
アトピーは「免疫異常」と言われることも多いですよね。
本当に「異常」なの??
アトピーの炎症についてお話ししたいと思います。
アトピーとホメオスタシス
アトピーの話をする前に、身体全体の話からお伝えしたいと思います。身体は常にノーマルな状態を保とうとする働きがあります。それを恒常性(ホメオスタシス)と言います。
恒常性(ホメオスタシス)
例えば体温を一定に保つために、外気が暑ければたくさん汗をかいて体温を下げ、寒ければ筋肉や肝臓で熱を作って全身に巡らせています。
また、ウイルスなどが侵入したときは熱を出したり、咳や鼻水を出して、ウイルスに対抗したり追い出そうとします。
このように身体は身体全体を把握し、一定の状態を保つために必要な対処をしています。それが恒常性(ホメオスタシス)なのです。私たちは一切意識していませんが、こうして全体を常に管理してくれています。すごいですよね。
実はアトピー性皮膚炎もそのうちのひとつ。身体の毒素などを排出しきれず、このままでは身体がまずいぞ、という状況に置かれた時、皮膚を介して足りない分の排出(大掃除)を始めるのです。
排出(大掃除)が必要になる理由
私たちの老廃物の排出ルートは尿や便、そして汗や皮脂などです。
通常の排出ルートで間に合う時は良いのですが、間に合わない時は他の機能を使って排出をしなければなりません。そこで使われるのが皮膚です。
皮膚は人体最大の臓器です。身体の保護にもなっていますが、排出にも使われる臓器です。汗・皮脂など目に見えるものもありますし、皮膚呼吸と言われるように目に見えない気体も排出しています。
皮膚という排出ルートを使って、恒常性を維持するため身体が機能しているのがアトピー性皮膚炎の本来の姿です。異常というよりはむしろ正常に働いてくれているからこそ排出があるのです。
アトピーが恒常性のために起こってるなんて知らなかったです!
炎症の仕組み
炎症は血液が集まってくることによって起こります。
なぜ炎症が起こるかというと、患部の治癒のためです。
炎症部分は赤みが出たり、腫れたり、熱を帯びたりしますね。
赤みは血液が集まっている証拠であり、腫れるのは血液量を増やし、栄養補給や老廃物回収(それを合わせて新陳代謝と言います)の速度を上げるため、熱を持つのは修復細胞や免疫細胞などの体細胞は高い温度下で活性化するためです。これらは西洋医療でもキッパリと認めています。
炎症は治癒の過程です。風邪の発熱だとすんなりと理解できますが、アトピーとなるとそう思えないのは、皮膚の病気だと思っているからです。
身体って本当に賢いので、命を守るための選択を常に続けてくれています。
まずは炎症を抑えましょうとよく言われるけど、炎症にも理由があったのですね!
アトピーは血流障害
ある医師が「アトピーは血流障害だ」と仰っていました。まさに!と膝を打ったのですが、大きく分けると
・お腹の血流不足による解毒力や排出力の低下
・全身の血流不足による新陳代謝の低下
が挙げられます。炎症のところでも書いたように血流が来ればその部位は活性化します。逆に冷えた巡りの悪いお腹や身体では機能低下してしまうのです。
皮膚という排出ルートを使わずに日々を過ごせるよう、まずはお腹の血流を良くして解毒力や排出力の機能を取り戻す必要があります。次に全身の血流を良くして新陳代謝を上げてあげれば、身体はアトピー症状を出す必要はなくなります。
確かに、私もお腹や末端が冷えていることが多いです!
ステロイドがしてくれること
ステロイドには様々な作用がありますが、そのひとつに血管収縮作用があります。
ステロイドは《弱い〜最も強い》まで5つのランクがありますが、実は血管収縮作用の強さでランク分けされています。
勘が良い方はピンと来られたと思いますが、血管が収縮するということは血流が悪くなることを意味します。炎症は血液が集まることによって起こるので、血液が来なければ炎症を起こす材料がなくなります。
その結果、表面的には炎症が引いて見えますが、根本的に改善したわけではなく、炎症を起こす力をなくしているだけなので、薬をやめると血流が戻ってぶり返すということになります。
お薬の世界はどんどん発展していますが、今でも一番強力な炎症止めはステロイド一択です。命を守るためにステロイドが必要な場面もありますが、アトピーは恒常性を保つための大掃除です。
本来は血流を改善させることで治癒に向かうので、血管収縮作用は根本的な解決からは遠ざかってしまうのです。
ステロイドで私の身体に起きたこと
ステロイドの副作用で一般的なものは、皮膚萎縮・酒さ(赤ら顔)・ニキビ・多毛・皮膚感染症・アレルギー性接触皮膚炎などが挙げられます。
私は生後まもなくからステロイドを使い始めて約30年間断続的に使用していました。上記の副作用はどれも経験がありますが、脱ステロイドから10年以上経った今、過去を振り返ると不定愁訴のような状態がたくさんあったと感じます。
例えば、平日5日間働くと週末は眠り続けないと回復しないとか、なんだかいつも気分が優れないとか、だるいとか、そんな感じです。当時は「私はそういう体質や性格なんだ」と思っていましたが、あの頃より老化したけど、今の方がよっぽど元気です。これは数値化できないし、ただの体感なので証明のしようもないですが…。
正しく使えば副作用はないと言う方もいらっしゃいますが、理論よりも経験が全てだと私は思っています。それに副作用がなくて、なんの問題もなく使えるのが本当だとしたら、最強の消炎剤があるのに新薬の開発なんて必要ないはずですよね。
ステロイドが炎症を抑える仕組みがわかりました!
新薬が目指していること
私はお薬の専門家ではないので、細かいことはわからないのですが…。近頃の新薬は「〇〇細胞の〇〇という働きをブロックする作用」などでアトピー症状を改善させようとするものが多いように感じます。
私が学生だった頃に新薬として発売されたプロトピックは免疫抑制剤ですが、当時は副作用のない夢のお薬のように謳われていました。
大事なのはアトピーは皮膚の病気ではなく、恒常性を保つために必要な症状だということです。排出が必要なのだから必要な限り、身体は突破口を見出そうとして、あの手この手で炎症という治癒の過程を作り出します。
それがお薬の効きが悪くなったり、お薬を塗ると他の場所に症状が移動する仕組みです。
プロトピックで私の身体に起きたこと
新薬として発売された当初は全く使えませんでした。プロトピックあるあるですが、塗ると猛烈に熱くなってとても我慢できなかったのです。ですが、20歳の頃に「アトピーにいいお医者さんがいる」と紹介してもらった皮膚科で、「ステロイドを塗ってからプロトピックを塗ってください」と言われたのです。
その方法だと全く熱くならずに使えました。そしてみるみるうちにきれいになったのです。「こんな魔法があったのか!」と衝撃を受けました。
でも、良い時期は長く続かずに、2年ほどで全く効かなくなりました。免疫抑制をされ炎症を起こせなくなっていた身体が、徐々にピロトピックに慣れて、抑制されない方法で炎症を起こせるようになっていきます。
その結果、だんだんと薬が効かなくなっていくのです。身体の素晴らしい力ですが、なにも知らなかった当時の落胆は相当なものでした。
プロトピックの使用を中止した後も、塗った時特有の熱感が出ることが数年間続きました。(皮膚科では聞いたことがないと言われましたが…。)今ではすっかりなくなりましたが、なかなか苦慮する感覚でした。
確かに新薬は長期的に使うとどうなるかわからない側面もありますね!
お薬で良くなった、の背景
アトピーがお薬で良くなったという話も聞きますし、実際に身近でもそうおっしゃる方もいらっしゃいます。
それは幸運にも、お薬で炎症を抑えている間に、炎症を起こす理由が解消されたからで、お薬がアトピーを良くしてくれたわけではありません。ステロイドの作用は血管収縮でしたね。根本治癒とは逆の作用なのです。
現時点では病気(アトピー)そのものを完全に治す薬物療法はありません。従って対症療法が治療の原則になります。
ちょっとした疲れなどで血流が悪くなり、解毒や排出が追いつかなくなって皮膚にアトピーが出たけど、その疲れが解消されて血流が戻り、お腹や全身の機能が戻ったため炎症がなくなった、という流れです。
でも難治化アトピーになりやすい方は、お腹も全身も血流不足が深刻で、機能低下が著しく、お薬で抑えている間に改善することが難しいばかりか、ステロイドの血管収縮作用からも分かる通り、身体を冷やす作用により、問題の根が深くなっていくことも多いのです。
ちなみに漢方薬の世界では生薬を、寒・涼・平・温・暖と「身体を冷やす〜温める」段階を5つに分類しますが、ステロイドは大寒(寒よりも冷やす)に分類されるそうです。
お薬で治るわけではないけど、使っている間に身体(血流)が改善されて、結果的に症状がなくなることはあるということです。こればっかりはやってみないとわからないのが悩ましいところですね…。
なるほど!お薬でアトピーが治ったわけではないのですね!
血流改善にしか根本改善はできない
ここまでで炎症は治癒の過程であること、そして炎症は血流がなければ起こせないことがわかりました。細胞が元気に生まれ変わっていくには、血流がこないことには始まらないのですね。
炎症は気持ちの良いものではないかもしれませんが、仕組みがわかれば向き合う気持ちもちょっと変わってきませんか?アトピーは異常ではなくて正常なのですよね。
漢方薬やサプリで血流促進するリスク
かつての私は、さて血流改善をしましょう!というときに漢方薬やサプリ、ハーブなどが第一候補になっていました。
当時は自然のものだから良いと思っていたような節があるのですが、自然の中にも強い作用のものもあれば毒になるものもあります。花粉だって自然のものですね。
漢方薬は分解すれば、ひとつひとつは生薬と呼ばれハーブのようなものですが、自然のものとはいえ大きな作用を持っています。ゆえに副作用も必ずあるのです。
何かしらの成分で血流を上げるということは、心臓に負担がかかったり、分解の労力で肝臓に負担がかかったりするのです。良い側面も、負の側面も見る必要があります。
おすすめの血流改善方法
そこでおすすめなのが、軽めの運動やストレッチ、整体などです。
え、そんなこと?と、心の声が聞こえてくる気がします(笑)
でも、なにも摂取しないので臓器への負担もなく、自然な血流促進となります。
なんとも平和で効き目の薄そうな感じがするでしょうか。少なくとも以前の私ならそう感じていたと思います…。
でもここまでの話を整理すると、アトピーを改善させるために必要なことは、お腹と全身の血流を促すこと以外、特にありませんでしたね。血流がくれば、熱も栄養も酸素も届き、老廃物の回収も進みます。要するに新陳代謝が活発化し、改善に進みます。逆に新陳代謝が進まなければ治癒には向かいません。
その新陳代謝を促すための、こんなにノーリスクハイリターンな方法があるのだから、おすすめしないわけにはいかないのです。
お薬のようにシャープな効き目はもちろんありませんが、少しだけ長い目で見ていただければ、身体の変化を必ず感じていただけると思います。
ジョギングなどの軽い全身運動も良いですし、ストレッチや整体は、冷えていたり、症状が出ている部分を狙って効かせることが出来る(血流が届くようにほぐしたり緩められる)ので、特に効果的です。