精油の扱いと誤解
昔々、アロマ(精油)でアトピー改善をしようと色々と試したことがありました。結局うまくいかなかった、その理由をお伝えします。
まず、アロマでスキンケアをして改善させようと考えるのは、アトピーを皮膚の問題だと捉えるからです。それはもう違うと理解されていることと思います。
改善する場合があるとすれば、外因性が強かったということになるのですが、この教科書で学んでくださっている方は、すでに普通のケアでうまくいかなかった方が大半だと思います。
香りを生活に取り入れるのは良いことですが、危険な方法も普及しているため注意が必要です。
アロマ(精油)の基本知識
精油(エッセンシャルオイル)は、花・葉・果皮・樹脂などからわずかに採れる、香り成分が濃縮されたエッセンスです。
- 植物本来の力(薬理作用)を活かし、心や体のバランスを整える目的で使われます。
- 古代から薬や儀式に使われ、現在も医療補助やリラクゼーションに利用されます(日本では主にセルフケア用途)。
- 抽出方法:水蒸気蒸留法(ラベンダー・ユーカリ)、圧搾法(オレンジ・レモン)、その他科学的抽出。
- 数滴の精油には、数十〜数百種類の有効成分が含まれ、香りや作用が変わります。
主な使い方
- 芳香浴:ディフューザーで香りを広げ、リラックスや気分転換
- アロママッサージ:植物油で希釈し、血行促進・疲労回復
- 入浴:数滴お湯に垂らし、香りと温浴効果で深いリラックス
- 吸入・湿布:鼻や喉の不調、筋肉のこりのケア
香りの分子は鼻から脳へ直接届き、心を穏やかにしたり集中力を高めます。また皮膚や呼吸を通じて体内に吸収され、血流や免疫に作用すると考えられています。
注意点:精油は濃縮されているため、使う量や方法を守ることが大切です。
精油の皮膚への活用と濃度
精油は植物の薬効成分を凝縮した「化学物質の塊」です。
例えばラベンダー精油1滴には、乾燥ラベンダー花約100g分、ハーブティー数十杯分の有効成分が含まれます。
- 皮膚に使用する場合は、必ず植物油(キャリアオイル)で希釈します。
- 一般的な希釈濃度:1%(キャリアオイル10mlに精油2滴)
- 顔は0.5%まで、濃くても最大5%
- 乳幼児(特に生後6か月未満)への皮膚使用は推奨されません。
近年、一部のメーカーが「高品質だから直接塗ってOK」と謳っていますが、精油を希釈する理由は、品質の問題ではなく、濃度が高く強力な化学物質だからです。
精油は経皮吸収され、血流に乗り肝臓や腎臓で分解・排出されます。
アトピーの皮膚では吸収率が健常皮膚より数倍高くなる可能性がありますし、肝臓・腎臓が疲れている状態で精油を吸収すると、余計な負担や疲弊を招くことがあります。
飲用・乳幼児使用の注意
- 精油の飲用は原則避けてください。
- 消化管や肝臓・腎臓に重篤な損傷の可能性があります。
- アメリカの毒物管理センターでも誤飲による重篤事例が報告されています。
- 乳幼児への使用は、皮膚刺激だけでなく、未熟な内臓での分解負担が大きいため危険です。
自然=安全ではありません。
ステロイドやその他の薬も、自然界の物質を模倣して作られていることがほとんどです。イメージだけで実践せず、知識を持って安全に取り組むことが大切です。