自身のアトピーの場合
ご自身のアトピー改善は、対策するのも、感じるのも、評価するのもすべて自分自身です。
子どものアトピーや他者のケアと違い「相手の体感を想像する」「代わりに判断する」という要素が入らない分、取り組みやすい側面があります。
その一方で、どのようなマインドで過ごすかによって、改善の道のりが大きく変わるのも、自身のアトピーの特徴です。
選択する
皮膚科の治療から離れて、アトピーの根本改善に取り組もうと思ったとき、多くの方がまず情報を探し始めます。
SNS、ブログ、動画、体験談。そこには無数の「改善法」が並んでいます。
選択肢が多いからこそ、口コミや体験談を参考にすることも多いでしょう。実際の声はとても大切ですが、もう一つ、必ず加えてほしい判断基準があります。
それは、「自分が理論的に納得できるかどうか」です。
例えば、「乳酸菌を摂ったらお腹が整う」という言葉はよく聞きます。一見すると、もっともらしく感じますよね。
でも実際には、
- 摂った乳酸菌が必ず定着するわけではない
- お腹の環境次第では、そのまま流れていくこともある
- もともと別の菌が優勢で、生き残れないこともある
など、摂取と定着の間には、たくさんの条件があります。
さらに言えば、「良い菌のバランス」は人それぞれ違います。ある人にとって良い状態が、別の人にとっても良いとは限りません。
そう考えていくと、「この乳酸菌を摂れば、一直線に改善する」という話ではなさそうだな、という視点に自然と辿り着きます。
ここまで考えた上で選択できるようになっていきましょう。
そうすると、
- 選ぶべきもの
- 選ばなくていいもの
- 選ぶとしても、今は優先度が低いもの
が、少しずつ整理できるようになります。
この教科書を読み進めていくことで、選択基準の“軸”は確実に育っていきます。
※基本的にこの教科書は、アトピー改善に必要な要素を網羅的に構成しています。この中から実践していただく形で十分です。
実行する
選択が決まったら、次は実行です。ここで、ひとつ大切なことをお伝えします。
体から見た「順調な改善」と、私たちの目に映る「順調な回復」には、ズレがあります。
多くの人が思い描く理想の改善は、
- 炎症が少しずつ弱まり
- 範囲が狭くなり
- なだらかな下り坂を歩くように収束する
そんなイメージだと思います。でも、実際の変化はそうならないことがほとんどです。
では、良くなったり悪くなったりを繰り返しているのかというと、実はそうでもありません。正しい方向で取り組めている場合、体の中ではずっと「好転」しています。
「何を言っているのかわからない」そう感じるかもしれませんね。
ここで思い出してほしいのが、アトピーは炎症を使った体の“ゴミ出し”だということです。強い炎症は、基本的に体力がないと起こせません。
体が疲れていると、
- 良くも悪くもならない
- だらだらとした炎症が続く
という状態になることがあります。
大人が風邪を引いたとき、微熱が何日も続くことがありますよね。それも、体力不足が関係しています。
(私自身、20代は低体温で、37度台の微熱でもとても辛く、それ以上発熱する力がありませんでした。40代の今は、40度近くまで一気に発熱し、短期間で回復できるようになっています)
評価する
体が「整ってきた」と判断したとき、あるタイミングで、「よし、エネルギー満タン。大掃除を始めよう」と、大きな排出が起こることがあります。
また、整体などで今まで詰まっていた場所が開通した結果、それまで何も出なかった部位に突然排出が始まることもあります。
肌変化ガイドと評価軸の項目も参考にしながら、今取り組んでいることに大きな問題がなければ、
- 大掃除が進んでいること
- 大掃除ができる体になったこと
を、ぜひ評価してあげてください。
評価の軸は、他人との比較ではなく、自分軸です。
- 1週間前の自分
- 1ヶ月前の自分
- 1年前の自分
と比べてみると、実はたくさんの変化が見えてきます。
まだ残っているアトピーに目を向けるのか、良くなった部分、範囲が小さくなった部分、消えてきた部分に目を向けるのか。
それは、ただの見方の癖です。最初は修正するのが難しくて当然です。
悪いところばかり見ている自分に気づいたら、意識して「良くなったところ」を探してみてください。
そして見つけたら、体に向かって、心の中でもいいので、
「すごいね」
「ありがとう」
と声をかけてみてください。
時には、私たちの目には「悪化」に見える排出期もあります。
そんなときも同じです。出せる体になったことを労い、励ましてあげてください。
その炎症は、より良い形で命を継続していくための体の戦略です。本当に素晴らしい機能なのです。
周りの目について
アトピーは見た目に分かる症状なので、人の目が気になることもありますよね。私も長い間そうでした。少しの炎症でも消えてほしくて、薬に頼っていた時期があります。
でも今は、ほとんど気になりません。それは、ここまでお伝えしてきた体の仕組みに信頼を置けるようになったからです。
2025年のリバウンドのときも、安心して体に任せることができました。
この感覚は、一朝一夕で手に入るものではありません。体の真理を、体感として積み重ねていく中で、自然と育っていくものです。
今の私の皮膚には、ステロイドによる後遺症が残っています。皮膚萎縮など、一目で分かる状態です。
でもそれは、かつて体の真理とは違う道を選んだ結果であり、同時に、そんな中でも必死に命を繋いでくれた体の痕跡でもあります。
私は、それを誇っていいものだと思っています。