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自活肌のつくり方


脱保湿という考え方


私はアトピー改善において脱保湿を推奨しています。その理由は、化粧品や保湿そのものを「悪いもの」と考えているからではありません。

アトピーの皮膚では、

  • 炎症が長く続いている
  • バリア機能が低下している
  • 皮膚が自分で調整する力が弱っている

といった状態が重なっていることが多くあります。

その状態で、「乾かないように」「守るために」と外から与え続けるケアが習慣化すると、皮膚が本来持っている

  • 自分でうるおいを調整する力
  • 環境や刺激に適応する力

が、うまく働かなくなることが多々あります。

脱保湿は、何かを足して治す方法ではなく、肌が本来の働きを取り戻す邪魔をしないための選択です。



アトピーと「排出」の視点


これまでお伝えしてきたように、アトピーは体にとっての排出作業です。

炎症や湿疹は、体の中で処理しきれなかったものを外に出そうとする反応であり、決して「悪いもの」ではありません。

この排出をスムーズに進めるという視点に立つと、スキンケアは「必ずしも必要なもの」ではなく、むしろしない方が経過が早いケースが多いのが実情です。

そのため、基本的には脱保湿に取り組んだほうがよいと考えています。



肌のうるおいは、外からではなく内側から


健康な皮膚とは」でお伝えしたように、肌のうるおいの原料は血液から運ばれます。

また、排出作業の最中で「今は乾燥状態のほうが効率が良い」と体が判断している時期は、どのみち肌は乾燥しやすくなります。

その状態で無理に保湿を重ねても、根本的な解決にはつながりません。



脱保湿で最も大切なこと


保湿をやめるうえで、必ずセットで意識してほしいのが、

  • 体の循環を上げること
  • 代謝を回していくこと

です。

潤いは血液から運ばれます。つまり、巡りが悪いまま保湿だけをやめると、つらさが増してしまうことがあります。



保湿のやめ方は2通りあります


① すべてをきっぱりやめる方法

ひとつは、潔くすべてのスキンケアをやめる方法です。

重たいスキンケアをしていた方ほど、初日のお風呂上がりは皮膚が引きつってつらく感じるかもしれません。

ですが、日を追うごとに

  • つっぱり感
  • つっぱっている時間

が少しずつ軽減していくのを感じる方がほとんどです。

これまでの経験では、多くの方が1週間ほどで、お風呂上がりに何も感じなくなっています。最長でも2週間ほどで、ほぼ気にならなくなったケースがほとんどです。


② 徐々にスキンケアを軽くしていく方法

もうひとつは、スキンケアの“重さ”を段階的に減らしていく方法です。ここでいう「重さ」とは、皮膚の上に残る油分の量だと思ってください。

一般的には、

  • バーム(最も重たい)
  • オイル
  • クリーム
  • 乳液
  • ローション(比較的軽い)

という順になります。

たとえば、
ローション → 乳液 → クリーム → オイル
と使っていた場合は、

  1. まずオイルをやめる
  2. 慣れてきたらクリームをやめる
  3. 次に乳液
  4. 最後にローション

という順番です。

しっかりスキンケアをしていて「いきなり全部やめるのは不安」という方は、徐々に減らす方法のほうが精神的に楽な場合もあります。

お子さんなどで、お風呂上がりに乳液を軽く塗っていた程度であれば、意外とすんなりやめられることも多いです。



「使わない」こともスキンケアのひとつ


脱保湿を選ぶ場合でも、それは「放置する」「何もしない」という意味ではありません。

基本になるのは、

  • 洗いすぎない
  • 守りすぎない
  • 肌の反応をよく観察する

といった、刺激を最小限にするケアです。

状態によっては、一時的に最低限の保湿を使う判断が必要な場合もありますが、それは「依存させるため」ではなく、回復を妨げない範囲での調整です。



ちょっと我慢してみる、という選択


皮膚は、環境に応じてうるおいの生成量を変える力を持っています。

季節の変わり目などで、空気が乾燥し始めたときに一時的にパリパリと皮膚の乾燥を感じることは珍しくありません。

ですが、すぐに保湿で対処してしまうと、肌が環境に適応する力(自活力)は育ちません。

まずは、少しだけ我慢してみてください。

環境に早く適応するためには、セルフケアで巡りを良くすることが大切です。この場合も、多くの方が1〜2週間ほどで環境に適応していきます。



目指す肌の状態


目標は、子どもの肌のように、内側が潤ったサラサラの肌です。

CMやインフルエンサーの影響で、「常に何も出ていない、完璧な皮膚であるべき」という認識が広がっているように感じます。

昔は冬になればカサカサの真っ赤なほっぺで、鼻水を垂らして鼻の下もガビガビな子が結構いたような記憶があります。(昭和の話です笑)

その時代には皮膚病は少なかったのですよね。

多少の排出があっても「たいしたことない」と大らかに受け止めることも大切です。小さな変化に一喜一憂してストレスを抱えるのは、もったいないこと。

アトピーも、ニキビも、体を守るための排出反応です。内側から整え、出せる体であることに感謝しながら過ごす。その視点を忘れないでください。

最近の子どもの肌は、しっかりめの保湿の影響でペタッとしていることも多く見られますが、本来の健康な肌は、内側がふっくらとしていて、表面はサラサラしています。








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