繊維の基礎知識
衣服や寝具、タオルなど、私たちの肌は一日の大半を様々な繊維に触れて過ごしています。使われる繊維は大きく3つのカテゴリーに分けられます。
天然繊維: 自然界に存在する素材から作られます。
- 植物性: 綿(コットン)、麻(リネン、ラミーなど)が代表的です。通気性、吸湿性に優れ、肌触りが柔らかいのが特徴です。特に綿はアトピー肌の方に最も推奨されることが多く、刺激が少ないとされています。
- 動物性: シルク、ウール、カシミヤなどがあります。保温性や吸湿放湿性に優れ、独特の光沢や柔らかさが魅力です。ウールはチクチクすると感じる方もいますが、近年は細く加工されたメリノウールなど、肌触りの良い製品も増えています。
化学繊維: 石油などを原料として人工的に作られる繊維です。
- ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタンなどが含まれます。速乾性、耐久性、形状安定性に優れ、スポーツウェアやアウターなど多岐にわたって使用されます。
再生繊維: 天然のセルロース(木材パルプなど)を化学処理して繊維にしたものです。
- レーヨン、キュプラ、リヨセル(テンセル)などがこれにあたります。天然素材由来の吸湿性や柔らかさを持ちながら、化学処理によって特定の機能を付加されています。
アトピー肌の方には、一般的に天然繊維が心地よいことが多いとされます。
天然繊維は通気性や吸湿性に優れるため、汗をよく吸い、蒸れにくいことが肌トラブルの軽減に繋がると考えられます。
しかし、ウールやカシミヤはチクチクしてアトピーには不向きとされることもありますが、私には合うものもあります。
一方、アトピー肌用の下着などでよく見かけるシルク製品ですが、私自身はシルクにアレルギーがあり、皮膚につくとミミズ腫れになってしまいます。
このように「誰にでも必ず合う」という万能な繊維はこの世に存在しないと心得て、ご自身の体感を頼りに選んでいくことが何よりも重要です。
化学繊維は「ヒートテック」に代表されるように、総じて皮膚が乾燥しやすいという声が多く聞かれます。
これは、繊維の性質上、肌からの水分蒸発を妨げたり、摩擦による静電気が発生しやすいためとも考えられます。
私は化学繊維によって痒くなることはほとんどありませんが、乾燥を感じたり静電気が起こりやすいという不快指数の高さによって選ばないことが多いです。
再生繊維は、見た目や名前から化学繊維と間違われることも多いですが、実際に肌にのせてみると、その自然な柔らかさや吸湿感の違いに気づくはずです。
繊維になる過程で化学処理がなされるため、全くの天然素材とは異なりますが、化学繊維とは異なり生分解性(自然に還る性質)を有している点が環境面でも大きな利点です。
特徴としては、レーヨンはしっとりと肌に馴染みますし、裏地にキュプラが使われたジャケットはさらりとした着心地がとても良いものです。
天然繊維の次の候補として、再生繊維を試してみることをおすすめします。
蛇足ですが、私は以前、アトピー協会推奨の「ダニ防止布団」で皮膚の状態が非常に悪化した経験があります。
これは、その繊維にダニを寄せ付けないための特殊な成分が加工されており、その成分に私の肌が反応してしまったためでした。
「〇〇だから良いだろう」と盲目的に判断することもあると思いますが、このように、肌が敏感に傾いていることが多いアトピーさんだからこそ、抗菌加工や防ダニ加工など、特殊な化学加工が施された製品にも注意が必要です。
成分表示をよく確認し、もし肌に合わないと感じたら使用を中止する勇気も持ちましょう。