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東洋医療の本質と罠


西洋医療が解剖の医学と呼ばれる一方、東洋医療は「観察の医学」と呼ばれます。

東洋医療は体全体の状態や体質に注目し、根本的な全体バランスの改善を目指すことがベースになります。



東洋医療的アプローチ


一言で東洋医療と言っても手法は多種多様です。

代表的なものは漢方薬、鍼灸、指圧、薬膳、気功などです。

その多くは「気・血・水」のバランスを整えると身体全体が整う、という考え方がベースになっています。

用いる手法は違いますが、どれも西洋医療のような副作用は起こりにくく、体質そのものを改善していくことから、付随症状(冷えや不定愁訴など)も同時に消えていくことが多いです。

デメリットは、基本的に即効性は期待できないことです。(漢方薬ではまずは3ヶ月、と言われることが多いです)

また療法を提供する側の技量によって、結果が大きく変わってくるほど、高い知識と経験が必要になる場合が多いです。

※この教科書は東洋医療的な全体を観る視点で構成していますが、西洋医療でも説明のつく内容となっています。



漢方の世界で学んだ落とし穴


ただし、東洋医療であっても全てが根本改善に向かうかというと、意外な落とし穴があります。

例えば漢方薬や薬膳など、物理的に薬理作用を体内に取り入れる手法の場合は、様々な作用の生薬や食材を扱うことになります。

温めるもの、冷ますもの。潤いをつけるもの、水分を逃すもの。固めるもの、緩めるもの。

実は、その作用の扱い方によって、西洋医療的な側面が強くなることもあります。


私が実際に経験した例をお伝えします。

20代の頃、私は漢方薬によるアトピー改善に真剣に取り組みました。

当時まだブログやHPなどの母数が少なかったですが、できる限り調べてアトピーで評判のいい、かつ自宅から通える範囲のクリニックにいくつかかかりました。

しかし出会った先生は「アトピーならこれ飲んで」と決まった漢方薬を出すか、体調を伝えるとツムラ(漢方メーカー)の手帳をペラペラとめくって「これあなたに良さそうね」と選ぶかの2択でした。

そんな風に処方された漢方薬では体調が良くなる感じがわかりませんでした。

それに漢方薬の様々な情報を見ていたので、「漢方薬の選定ってもっと、脈や舌を見たり、あれやこれやとヒアリングしたりして選ぶんじゃないの?」と疑問も感じました。

そこで改めて、しっかりカウンセリングをしてくれる漢方薬局を中心に探し直しました。

その際に、アトピーに関する口コミや実際の症例を中心に見ていくと、薬局によって大きくふたつの方向性があることに気が付きました。

ひとつは「一旦すごく悪くなるけど、その後とても良くなる」

もうひとつは「すぐに辛いのが取れる」

当時の私は、一旦すごく悪くなる、なんてまっぴらごめんでした。当然、後者が候補です。

すぐに落ち着けてくれると評判の先生を探し当てて、飛行機で月に2回、半年以上通いました。

保険外の漢方薬だったので、移動費を含めて使った費用は簡単に100万円を超えました。

結果からお伝えすると、私の体はさらにおかしくなりました。

その漢方薬局で私に良いと選んでいただいたのは、炎症を鎮める処方が多数でした。

つまりそれは体を冷やす処方であり、体力のある人向けの作用の強いものになります。

もうピンときている方もいらっしゃると思うのですが、まさに漢方薬を使った西洋医療だったのです。

炎症が起こっているから、その火を消す。という発想です。

私の体はステロイドに加えて漢方薬にも冷やされて、どんどん弱っていきました。

(ステロイドは極陰性で体を強力に冷やす作用があります。血管収縮作用もその一環です。)

そして漢方の先生にも「よくわからない」と言われる不思議な症状も多発しました。

※ これは恐らくですが、長くステロイド漬けになっている上に、プロトピック(免疫抑制剤)も併用していて、私の体の代謝経路が、普通の方と大きく違ってしまっていたからだと思います。

「これ以上来てもらっても難しい」と言われ、事実上の破門となっても、当時の私にはどうして改善がうまくいかないのか理由がわかりませんでした。

このように、自然のものだからとか、東洋医療だから、という理由だけで安心してはいけないこともあります。

どんな療法に取り組むにしても人任せにせず、その療法の全体像や、自分の現在地、そしてその療法と一緒に目指す目的地を明確にしましょう。









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